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失敗しない建物づくり:着工前に必ず行う「配置確認」の重要性

「設計が終わって、いよいよ工事が始まる!」という段階は、とてもワクワクしますよね。


しかしこのタイミングで**“配置確認”**をしっかり行わないと、後々大問題に発展することも。


本記事では、建物を設計通りに正しく建てるために不可欠な配置確認のポイントをわかりやすく解説します。


1. 配置確認を怠るとどうなる?

3つの“嘘みたいな本当の話”


(1)無駄な空間だらけになってしまった


  • 事例


    • 敷地が広いのを良いことに、建物の位置が図面より大きく奥へズレてしまった


    • その結果、設計で計画していた「庭スペース」を大幅に失い、手前に無意味な空き地が増えただけ


  • 悲惨なポイント


    • 「もう基礎工事が終わった後」では修正が難しく、建物のコンセプト(例:4つの庭)も台無しに


(2)建物が「反転」して建ってしまった


  • 事例


    • 間取り自体が左右反転のまま基礎工事に進行


    • 上棟直前に監督がようやく気づき、基礎をやり直す羽目に


  • 悲惨なポイント


    • やり直しによる工期の大幅延長


    • 施工会社が損失を抱えて倒産リスクも……万一の場合、建物が未完成のままになる可能性も


(3)そもそも「隣の土地」に建て始めた


  • 事例


    • 分譲地でA・B・Cが並んでいて、Aの敷地にBの家を建てるミス


    • 施主もプロも境界を確認しないまま工事を進め、最後の検査時に判明


  • 悲惨なポイント


    • 完成後に「他人の土地に建った建物」とみなされ、法的にもアウト


    • 建物撤去→工事やり直しという最悪の結果へ


POINT


これらは極端な例ですが、実際に起こり得る“重大トラブル”。


配置確認の一手間を惜しむと、 大損失につながるかもしれません。


2. そもそも「配置確認」とは?


  • 何をする?


    • 建物の「位置や向き」が正しいか、実際の土地に糸を張ってチェックする


    • 敷地の境界線や道路境界線からの寸法が図面通りになっているかメジャーで測る


  • いつやる?


    • 基礎着工直前、あるいは糸を張ったタイミングに行うのがベスト


    • 建築スケジュール表・現場工程表を確認し、糸張り時期をプロに聞く


3. 配置確認の手順:5分でOK


  1. 土地の境界ポイントを再確認


    • 改めて境界杭などが残っているかをチェック


    • 境界ポイントが消失している場合、施工側に「再測量が必要か」早めに相談


  2. 配置図を用意する


    • 工事に必須の「配置図」を手元で確認


    • 図面の“境界線から建物までの寸法”を覚えておく


  3. 実際に糸張りされた現場で寸法を測る


    • コンベックス(硬いメジャー)を使い、境界線→建物糸までの距離を実測


    • 複数のポイントで図面の寸法と合うか確かめる


  4. 写真を撮って証拠を残す


    • 各測定ポイント・メジャー値がわかる写真を取る


    • 担当者にも提出すればスムーズに確認作業が進む


POINT: プロが「大丈夫ですよ」と言っても、複数箇所をしっかり測る 5~10分程度で完了するので、ぜひ現地に行きましょう

4. なぜ“素人”の配置確認が重要なのか?


  • 法的リスク回避


    • わずかな位置ズレでも、日影規制や隣地との車線制限でNG建物に化す場合


    • 完了検査に合格できず「人が住めない住宅」扱いに…


  • スケジュール守れるかのカギ


    • 着工後に大幅ズレが発覚すると、基礎やり直し→長期工期延長の恐れ


    • 引き渡し間に合わない、賃貸なら入居開始が遅れ収益もダウン


  • 施工会社の赤字リスク=倒産リスク


    • 大きな補修工事で施工店がダメージを受け倒産すれば、建物が未完のまま


  • 自分が納得して進められる


    • 「完成したら予想と違った…」と後悔せずに済む


    • スムーズなコミュニケーションのため、写真やメモを共有すると安心


5. まとめ:数分の“ひと手間”が、大きな安心を生む


  1. 土地の境界を再度チェック


  2. 「配置図」を広げ、境界線からの距離を測る


  3. 5分~10分ほどで完了! 記録用写真も忘れずに


「たったこれだけの作業」で、工事トラブル&後悔をほぼ回避できるなら、やらない手はありません。


数千万円・数億円規模のプロジェクトだからこそ、建築オーナー自身が配置確認に立ち会う意識をもちましょう。

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