「間取りはほぼ決まったけれど、外観がどうもパッとしない」
「提案されたデザインに魅力を感じない」
—そんな建築オーナーの皆さんへ!実は建物の外観は、ちょっとしたポイントを見落とすと“惜しい仕上がり”になりがちです。
そこで本記事では、取り入れるとダサく見えがちなNGポイント7つを詳しく解説。
さらに、どう改善すればよいかもあわせてご紹介します。皆さんの家づくり・投資物件づくりの参考にしてください。
1. 道路側だけ“気合い”を入れてしまう
「正面だけ豪華」の“貧ぼっちゃま建築”に注意!
ありがちな失敗
道路側からの立面(ファサード)だけデザインをこだわる
側面や裏面など、他の面はコストカットして質感を落とす
なぜマズい?
道路から見る正面は素敵でも、少し横から見た途端に安っぽさがバレる
「せっかくオシャレなのに、横から見ると別物…」とゲストに思われがち
改善策
360度の外観を意識し、予算をうまく配分
敷地が狭くても横・裏面はある程度統一感をもたせる
Point: 正面ばかり気を取られず、“見る角度”を増やして外観をチェックしておくことが大切。
2. 屋根を考えずにデザインする
「屋根形状・素材」を無視すると意外な落とし穴
ありがちな失敗
外観CGや立面図で“屋根が見えないかも”と油断して、そのまま適当な素材を採用
実は人目線で見ると、軒先や屋根勾配・色がバッチリ見えていた
なぜマズい?
色・素材が外壁とチグハグで、完成したら「なんか微妙…」になりやすい
縦樋(雨樋)や軒天など、こまかい部材とのカラー統一ができずに浮いてしまう
改善策
建築模型や断面図などを使い、人の目線で屋根がどこまで見えるか確認
屋根が見える場合は、外壁と素材・色をしっかり合わせる
Point: 「屋根なんて見えないからいいよ」と思わず、細部までイメージして検討しましょう。
3. 考えなしのバルコニー
「バルコニーはセット商品」ではありません!
ありがちな失敗
何となく2階・3階すべてにバルコニーを設置してしまう
LDKの外観を崩すほど突き出たバルコニーが目立ち、アンバランスに
なぜマズい?
実際に“バルコニーを使わない”ケースも増えてきた
不要なバルコニーはメンテナンスコストや防水リスクが高まり、外観もゴチャつく
改善策
そもそもバルコニーが本当に必要かを洗い出す
必要な場合でも、位置をずらす・サイズを調整し、デザインに合わせて最小限に
Point: 「バルコニー=当たり前」ではなく、家族の暮らし方・洗濯動線と照らし合わせて検討を。
4. 間取りを最優先してからの“あと付け外観”
外観は“同時進行”で作る!後回しにすると失敗
ありがちな失敗
間取りを先に固め、「外観は後でいいや」と後回し
いざ外観のフェーズで、間取りの制約が大きすぎてデザインが自由にならない
なぜマズい?
LDKや部屋の“出っ張り・凹み”が外観に大きく影響する
間取りを完全に fix してからだと、外観の微調整が難しくなる
改善策
間取り検討と外観デザインを同時に進める
好みのテイストがあるなら、早めに参考画像をプロに伝える
Point: 「間取りが完璧!→外観はそのまま…」ではなく、初期段階から外観イメージも共有しておきましょう。
5. 外壁材を“性能のみ”で選ぶ
デザインとのバランスを無視すると「惜しい仕上がり」に
ありがちな失敗
「サイディングならメンテが楽」と性能最重視で、色や柄まで深く考えない
メジ(継ぎ目)・コーナー材が目立ち、シンプルモダンのはずが台無し
なぜマズい?
工場生産パネルならではのつなぎ目や焼物が意外と悪目立ちする
CG上はシンプルな一枚壁に見えても、現物は継ぎ目がクッキリ
改善策
サイディングを使う場合でも、**“継ぎ目の少ない”**高級ラインや焼物対策品を選ぶ
塗り壁・タイル・木など多種多様な素材を検討し、仕上がり感とのバランスをとる
Point: 「耐久性とデザインの両立」がベスト。サンプル現物を確認し、継ぎ目の存在も要チェック。
6. 適当な窓・玄関ドア配置
「大きな窓は南・正面に付けたい」だけの安易な発想は危険
ありがちな失敗
道路正面に大窓を配置 → 日中の採光は○でも、夜や休日に道路から丸見え
シンプル外観を目指しているのに、玄関ドアが正面にドーンと見える
なぜマズい?
近年は水知らずの飛び込み営業も減少し、セキュリティ志向が高い
正面から“モロ見え”の玄関・リビング窓は落ち着かず、結局カーテンやシャッター締め切りに
改善策
玄関扉を斜め・横側にずらす、門塀やフェンスなどを連動してセキュリティ確保
大きな窓は眺望・プライバシー・光のバランスで“最適な面”に配置
Point: 「道路側=南向きだから大きな窓」は安易。覗かれリスクもしっかり考えておきましょう。
7. 細かい配慮ゼロ(設備・配管の位置取り)
最後に気づいて絶望…「あれココにあるの?」を回避せよ
ありがちな失敗
エアコン室外機が1階正面側に堂々と置かれ、オシャレ外観が台無し
ガスメーターや給湯器を道路正面に設置してしまい、生活感がダダ漏れ
ベントキャップ(換気口)の丸い突起が、シンプルモダンに“傷”をつける
なぜマズい?
ほんの少しの気遣いで「隠す・見えづらくする」手段が取れる
後から動かすには大工事&追加費用の可能性大
改善策
建物完成前に各種設備・配管の位置をしっかり確認
塗装やカバーで目立たなくする/アンテナ位置は屋根裏・光回線で代替…など検討
Point: 細部を意識しないと、“ここだけ浮いてる”要素が増えてせっかくのこだわり外観が台無しに。
まとめ:外観づくりは「どこから見ても魅力的」に
正面だけ豪華にしない:横・裏面との統一感
屋根・軒・樋の色や素材:細部まで手を抜かない
バルコニーは必要?:セット商品扱いせず、デザインと機能を両立
間取りと外観は同時進行:あと付けのデザインでは限界がある
外壁材は性能だけで選ばない:メジやコーナー材までチェック
窓・玄関ドア配置:セキュリティ&見え方を意識
設備・配管の位置:室外機・ガスメーター・アンテナなどを隠せばクオリティUP
一見したら些細な項目かもしれませんが、こうした細かい要素こそ外観の美しさを左右します。
何千万円・何億円という大きな投資をするからこそ、最後まで自分が納得いく外観を追求しましょう。
大きな家や外観の“正面”だけで満足せず、どの角度から見ても美しいデザインをぜひ目指してください。
細やかな配慮が行き届いた外観は、**時間が経つほど「建ててよかった!」**と感じるはずですよ。
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